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ジョジョの奇妙な冒険 > ファントムブラッド > ディオ・ブランドー

ディオ・ブランドー(Dio Brando)は、荒木飛呂彦漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する架空の人物。

Part1での表記「ディオ」は元レインボーブラック・サバスロニー・ジェイムス・ディオ[1] 、Part3以降の表記「DIO」は、そのロニー・ジェイムス・ディオが結成したバンド「ディオ (Dio) 」に由来する [2]

性格・人物[]

金髪の美男子。切れ長の目をしている。目の色は碧眼(人間)、紅眼(人間or吸血鬼)、金眼( 人間or吸血鬼)のときがあり、様々である。幼年時代から年齢にそぐわぬほどの知性を持ち、それでいて人に本心を明かさず友好的につきあうという性質をもっており、それは実父に対しても同じであった。幼年時代は父を含めてあらゆる人間に敵意を持っていた荒んだ人格だったが、ヤクザな父親に虐げられ早世した母親に対しては愛情を感じていた描写がある。いつも感情を隠しているものの短気で自分が優位になると、調子に乗り隙を生むところがあり、Part1では彼自身それを自分の欠点として自覚し、それをコントロールするよう努めていた。上昇志向が強く、利用できるものは何でも利用しようと考えジョースター家の養子となってジョースター家の乗っ取りをたくらんでいた。ゆえに厳密にはその人生の大半においてディオ=ジョースターであるはずだが、多くのメディアではディオ=ブランドーと表記される。本人は養子になった後一度もどちらの姓も名乗ったことがない。終始ジョナサンを「自分にとってはサル同然」という旨の言葉を浴びせたりもしたが、最後に現れた際はジョナサンを侮辱したゾンビを一喝するなどしており、「自分をここまで追い詰めた相手」として敬意を払う様子を見せた。

ロバート・E・O・スピードワゴンからは「生まれついての悪(ワル)」と評されるように、数年も世話になったジョースター卿に何の情も抱かず毒を盛るほどであるが、母への思慕の情はあった。酒に溺れるばかりで自堕落な父・ダリオに対しては母に苦労をかけて死なせたこともあって嫌悪しており、彼が死んだ際には墓標に向かって痰を吐いている。

Part3ではPart1の敗北の経験からか用心深くなり、より冷静沈着になる。だが終盤では好戦的な性格となりジョースター一行を圧倒した。金で雇った賞金稼ぎの他、その絶大なカリスマ性に惹かれて彼の元に集まったスタンド能力者を多数従え、自身の細胞である「肉の芽」(後述)を植え込むことで忠誠を誓わせていた。DIOの持つ「悪の魅力」に心服するスタンド使い・ンドゥールは彼を「悪の救世主」と評している。

それまで肉親・部下・友人と誰に対しても気を許すことはなかったが、Part6の回想シーンで描かれたPart3以前のDIOは、エンリコ・プッチとしばらく共に生活しておりプッチには友情と尊敬を示している描写がある。本心からか「天国に行く方法」のためであったかは不明。後で描かれたためにPart3のDIOとは別人のように穏やかな性格をしている。

劇中での活躍[]

Part1『ファントムブラッド』[]

1867年生まれ。14歳のとき父親のダリオが死亡したことで身寄りがなくなり、イギリスの貴族ジョースター家の養子となる。「世界一の金持ちになってやる」という決意のもと、手始めにジョースター家の財産乗っ取りを密かに企てる。計画の第一歩として、ジョースター家の正当な跡取り息子であるジョナサンを精神的に追い詰め堕落させるため、執拗な嫌がらせを繰り返す。しかしそれが逆にジョナサンを成長させるきっかけとなり、予想外の反撃をうけることとなる。

大学に通うようになってからは大学ラグビーで活躍する傍ら、法律の分野を首席で卒業する予定である(実際には卒業していない)など学業の面でも優秀であった。この頃にはジョナサンを堕落させる試みは諦めており、表向きだけ友人として付き合っていた。財産に関して法的に干渉する権利を得たのを機に、ジョージ・ジョースター卿を病死にみせかけ毒殺する計画に移る。しかし計画半ばで、「ディオの父親の死因である病の症状が現在のジョースター卿と酷似している」ことをジョナサンに気付かれてしまう。ディオの父親ダリオは病死ではなくディオの手で毒殺されたこと、同様の手口によりジョースター卿をも殺害しようとしていること、さらにはジョースター家の財産を乗っ取ろうとしていることが、全てジョナサンに悟られてしまった。そこで口封じのためジョナサンが研究していた石仮面を利用して彼を殺害しようと試みるが、その過程で石仮面に秘められた能力を発見する。しかし、毒殺の証拠を持ち帰ったジョナサンが通報した警官隊に包囲され、窮地に立たされてしまう。危機を脱するため決意したディオは人間をやめる旨を宣言して自ら石仮面を被り、ジョナサンをかばったジョースター卿を刺殺し仮面の能力を発現させる。不死身の吸血鬼となったディオは無比の身体能力や再生力など人間を超越した力を手に入れ、警官隊を惨殺、ジョースター邸を全焼させジョナサンにも重傷を負わせたが、彼の機転により強力な再生力が追いつかないほど全身を焼かれ、瀕死の重傷を負う。

ジョナサンに負わされた傷が治りきるまで一旦小村ウィンドナイツ・ロットに逃れ、ゾンビらを多数生成し世界征服を目論む。だが、修行により波紋法を身に付けたジョナサンらに突破され、彼との一騎撃ちとなる。波紋によって全身を溶かされ敗れるが、辛うじて首だけが助かり密かに生き延びる。

1889年2月7日、幼馴染のエリナと結婚し豪華客船で新婚旅行中だったジョナサンの前に再度姿を現し、瀕死の重傷を負わせる。そして、失った体の代わりにジョナサンの肉体を手に入れ再起を図るも、最後の力を振り絞ったジョナサンと相打ちとなり、二人もろとも客船の爆発に巻き込まれ、客船と共に沈没した。

Part3『スターダストクルセイダース』[]

豪華客船の爆発で死亡したかに思われていたが、沈没する直前にジョナサンの遺体を斬首し、首から下を奪い取ることに成功、密かに用意していた棺桶型シェルターに避難し眠りについていた。100年後(正確には96年後の1985年)、トレジャーハンターにより海底からそのシェルターが引き上げられた事で長き眠りから目覚め、再び活動を始めた。エジプトカイロのとある屋敷を拠点とし、途中知り合ったエンヤ婆の手によりスタンド「世界(ザ・ワールド)」に覚醒、再び世界を手にしようと配下を増やしていた。

100年後の1989年、自らの覚醒によってジョースターの血統である空条承太郎たちが自分の存在を知覚、倒しに来ることを予想したDIOは、配下のスタンド使い数十名を刺客として差し向ける。

エジプトでの決戦では自身のスタンド「ザ・ワールド」の時間停止能力を利用して花京院典明を殺害、波紋使いであるジョセフ・ジョースターも瀕死に追い込み(が、後にDIOの死体から輸血した為復活)、ジャン=ピエール・ポルナレフを戦闘不能にした。しかし、自身のスタンドと同じ時間停止能力に目覚めた承太郎との戦いは熾烈を極めた。DIOを欺くために心臓を停止させた承太郎に頭部を殴られ、回復のためジョセフの血を吸ってパワーアップ。だが、激昂した承太郎によって、自身の時間停止が終わるタイミングで時を止められたため形勢を逆転され、最後は「スタープラチナ」の攻撃をうけてスタンドごと本体であるDIO自身も破壊され敗北、死亡した。バラバラに砕かれたDIOの肉体は、日の出の光を浴びて灰となって消滅(後にPart6でプッチに自分の小指の骨を渡しており、遺体の一部が残っていたことが判明する)。しかしその絶大な影響力は、彼の死後も依然消えることはなかった。

Part4『ダイヤモンドは砕けない』[]

虹村形兆の回想の中で「親父に肉の芽を植えつけた人物」として登場。

Part5『黄金の風』[]

主人公、ジョルノ・ジョバァーナはジョナサンの体を乗っ取ったDIOの息子。 シリーズ初期に、主人公ジョルノ・ジョバァーナが持っていた写真に写る形で登場する。

Part6『ストーンオーシャン』[]

エンリコ・プッチ神父の回想でのみ登場。1987年、スタンド能力の素質がある者を探して旅をしていた途中で、修行時代のプッチ神父と知り合い二人は親友となる。DIOが自らの小指の骨を彼に渡すシーンが描かれた。回想シーンでは他にも、DIOはプッチの膝の上に足を置いたり、プッチと共に帆船模型の製作をしたり、本を読みながら語らいを楽しんだりと、これまでの尊大なキャラクターとは違った温和な一面を見せる。

プッチの人生を変えた張本人で、DIOは彼に「天国へ行く方法」を託すことになる。 また、ジョルノとは別に生ませた三人の息子、ウンガロ・リキエル・ヴェルサスが登場している。

Part7『スティール・ボール・ラン』[]

Part6のボスのスタンド「メイド・イン・ヘブン」にて生まれたパラレルの世界(ただしパラレルと明言はされていない)。イギリスの天才的騎手「ディエゴ・ブランドー」(通称ディオ)という人物が登場。外見や性格はDIOに極めて似ているが、スタンド能力は「スケアリー・モンスターズ」という恐竜を生み出すというスタンドを持つ明確な別人であり、DIOと直接の関連はなくストーリー中死亡する。しかし終盤「パラレルワールドの存在に自由に干渉できる」能力のスタンド、「D4C」によって別次元から連れてこられたディエゴは、人格は完全にスティール・ボール・ランのディエゴであったが、スタンドは第三部の「ザ・ワールド」を持ってこの世界に出現した。

吸血鬼の能力[]

気化冷凍法
波紋法とは対極の技。体から水分を気化させて熱を奪い、触れた相手を一瞬にして凍らせる技。波紋は血液のエネルギーなので、血管ごと凍らせることで波紋を起こせなくするために編み出した。ディオはこの技で攻略不可能といわれた技「稲妻十字空烈刃(サンダー・クロス・スプリット・アタック)」をもつダイアーさえも破り、凍ってしまったダイアーを冷酷にも砕いてのけた。ディオ独自の考案による技で、他に使用した吸血鬼はいない。Part3では使用することはなかった。
空裂眼刺驚(スペース・リパー・スティンギー・アイズ)
眼球内の体液を弾丸の様に飛ばす攻撃。この技でジョナサンを殺害した。後に吸血鬼と化したストレイツォも使用し、彼により命名された。ジョナサンに致命的な一撃を負わされたディオが執念で咄嗟に編み出した技で、作中で使用した吸血鬼はディオと、その場面を目撃していたストレイツォのみ。気化冷凍法と同じくPart3では使用されていないが、格闘ゲーム版では必殺技として実装されている。ドラマCDにおいても使用した事があるが、名前をつけて使用したのはPart2でのストレイツォが最初であり、その名前を知る由がないはずにもかかわらずこの名前を発している。波紋法により、防御が可能。
他生物のゾンビ(屍生人)化
牙や指先、血管針などから他の生物の血液を吸収する際、「吸血鬼のエキス」を注入してゾンビ化させ、支配する能力。配下となった生物は理性が低下し、多くは凶暴な怪物となってしまうが、稀に知能を残したままゾンビになる者も居る。凶暴化しても変身前だった頃の記憶や嗜好は多少残っており、嗜好については理性の箍が外れて強くなる傾向がある。また死体にエキスを注入し、復活させたり、キメラを作ったりする事もできる。エキスを注入せず吸血のみを行うことも可能。その場合血を吸われた人間は死亡する。
屍生人は吸血鬼の能力で生まれた存在なので、波紋や太陽光を受けると消滅する。
なお、ジョナサンの肉体のため、あるいは吸血鬼化しても遺伝子的には人間であるためか、ジョルノ他人間の女性との間に生まれた息子達には吸血鬼の能力や特徴は受け継がれていない。
第3部では自ら首を刎ねたヴァニラ・アイスに自分の血液を与えて復活させる描写があり、これはポルナレフ曰く「吸血鬼になりかけた状態」とのことだが、この行為によって甦ったヴァニラ・アイスが実際に吸血鬼なのか、もしくは屍生人かそれともまた異なった存在なのかといったことは明らかではない。
肉の芽
吸血鬼であるDIOの細胞。これを額に植えつけられた者は、脳を刺激されてDIOに対して、カリスマに対するそれの様な憧れの感情を抱くようになり、DIOに従う忠実な部下となる。摘出しようとすると、動いて脳を傷つけたり、触手を出して摘出しようとする者の脳に進入しようとするため、引き抜くには余程のスピードと精密さ、そして攻撃に屈したりうろたえたりしないだけの精神力が必要になる。
花京院とポルナレフは、当初、この「肉の芽」を埋め込まれてDIOの刺客として襲ってきたが、承太郎の「スタープラチナ」によって洗脳を解かれ仲間になった。
  • 肉の芽を埋め込まれた者は、数年で脳を食いつくされ死ぬ。
  • 吸血鬼の一部であるので、波紋の力で消滅させる事が出来るが、これは引き抜いた後の処置となる。(コミック版13巻参照)。同様に、太陽の光で消滅する(コミック版17巻参照。こちらの場合、前髪が長い花京院はともかく、髪をアップにして額を出しているポルナレフを操り続けている描写がある)。OVA版ではアヴドゥルの「魔術師の赤」の炎で焼き払われている。
主であるDIOが死ぬと、肉の芽は暴走し、これを埋め込まれていた者は、知性の低い不死身の怪物となってしまう。この時、肉の芽を埋め込まれた者がDIOの死を知覚する描写もあり、これはPart4で語られた。

世界(ザ・ワールド)[]

【破壊力 - A / スピード - A / 持続力 - A / 射程距離 - C / 精密動作性 - B / 成長性 - B】(『JOJO A-GO!GO!』による)

タロットの21番目のカード「世界」が名前の由来。逞しい体つきをした人間型のスタンド。デザインの特徴としては三角形のマスクを被ったような顔、背中に付いたタンクのような物体、手の甲にはその能力を象徴するかのような時計のマークがある。

承太郎のスタープラチナと同様の近距離パワー型で、高いパワーとスピードを有する。なおかつ近距離パワー型の中では10mと反則的に長い射程距離を持つ。DIO自身は「パワーも精密さもスタープラチナより上」「最強のスタンド」と豪語するほどである。ラッシュは口癖「無駄無駄」を連呼することから「無駄無駄ラッシュ」と呼ばれ、凄まじい威力を誇る。

さらには、DIO曰く「世界を支配する」能力により、自分以外の「時を止める」ことができる(時間停止)。初めは一瞬だったが、ジョナサンの体が馴染む度に停止できる時間が延長し、ジョースターの血統であるジョセフを吸血することで飛躍的に能力を高め、登場時で5秒、最終的には9秒まで伸びた。なお、厳密には「時間が止まった世界」で「5秒」と言うのは妙な表現で、DIO本人もそれを口にしている。また、DIOは不老不死の吸血鬼となっているため、時を止めている間に自分の肉体だけ時間が進んでいても老化の心配がない。ゆえにこの能力を高めたり多用したとしても全く問題がなく、本人もその能力を高めようとしていた。時を止めた場合、同じタイプのスタンドを持つ者以外はその間のDIOの動きを認識できないため、その間にDIO自身が動けば他者はDIOが瞬間移動をしているような錯覚に陥る。この効果を利用して、時間の止まった状態で承太郎の体の周囲に無数のナイフを投げつけ回避不能の状態を作り出したり、頭上からマカダム式ロードローラー(OVA版Part3ではタンクローリー)を叩き付けるなど、数々の衝撃的な攻撃を繰り出した。

時を止められるザ・ワールドというスタンドはDIO自身の「時間の束縛から自由になりたい」という潜在意識の発露からと『JOJO A-GO!GO!』の作者インタビューで語られている。

スタンドのデザインも若干変更されている場合もあり、原作Part3では筋肉質で肘と膝のパッドがハートの形になっているが、『JOJO A-GO!GO!』以降ではスリムな体型にパッド部分が「D」のロゴになっている。原作Part7でも平行世界のDIOのスタンドとして、「THE WORLD(世界)」の名称で登場。『JOJO A-GO!GO!』のデザインになっている。

ジョナサンのスタンド[]

物語の初期にはジョセフの「隠者の紫」と同質の念写スタンドを使った事がある(なお、このスタンドはジョセフのとは違いカメラを軽く叩くだけで念写ができ、壊さなくてもよい)。

これについては原作内では特に説明はされなかったが、画集『JOJO A-GO!GO!』の付録では「ジョナサンの肉体が覚醒したスタンド能力である」と説明されている。

備考[]

  • Part7『スティール・ボール・ラン』には、ディエゴ・ブランドー(通称「Dio」)という人物が登場している。
  • ホンダではディオ以外にも「ジョルノ」というスクーターが販売されていた。

声優[]

  • 緑川光(Part1映画版・Part1ゲーム版)
  • 野島健児(Part1ゲーム版・少年期)
  • 若本規夫(Part3ドラマCD版)
  • 田中信夫(Part3OVA版)
  • 千葉一伸(Part3対戦型格闘ゲーム版)
  • 子安武人(Part1、Part3アニメ版)

脚注[]

  1. ジャンプノベル』1993年4月1日号「オーケン&飛呂彦の奇妙な世界〜大槻ケンヂ対談〜」
  2. 『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダーズvol.9 亜空の瘴気ヴァニラ・アイス編』 P170 The Secret of JOJO Characters

pt:Dio Brando

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